為替相場(FX)ではドル円の安値ばかり目がいくが、実はユーロドルにも注目だ。ニューヨーク外国為替市場では、ドルが一時対ユーロで8カ月ぶりの安値1.41をつけた後、上昇に転じた。このところのドル下落は行き過ぎとの見方が広がった。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による追加緩和が見込まれる中、ドル安の流れが反転する公算は小さい見込み。豪ドルAUD=D4は対米ドルで上昇し、一時1米ドルを上回った。等価水準を上回るのは1983年に変動相場制に移行して以来初めて。バーナンキFRB議長が、低いインフレ率と高い失業率は追加緩和の必要性を示しているとの見解を示したことが背景。しかしその後はこの日の安値付近まで押し戻された。
ドル円は最安値を更新するか
為替相場(FX)ではドル円の安値に注目が集まっている。ドル円は海外市場で81円を割り込み、80.88円をつけて15年ぶり安値を更新していた。そしてさらに円高がすすみ79円台前半まで円高がすすむと史上最安値を達成したことになる。さすがにドル円は下落せず、売り戻しがはいっている。米30年債入札の不調による米長期金利の上昇を受けてドルが買い戻された流れを受け、東京時間の朝方はドル買いが先行。一時81.62円まで値を戻した。しかし、輸出企業が小規模ながら売りを出したことに加え、短期筋によるドルの戻り売りも強く、その後は81円前半に押し戻された。前日の急騰のあとの調整が入っていたユーロドルや豪ドル米ドルが、午後に入ってじわりと切り返しに転じると、ドル円でも売りが優勢になった。現在、主要国ともに自国通貨安の為替政策をとっているなか、日銀だけが取り残されている感があり、日銀介入をすることもできないだろう。今後も円高はすすみ、史上最安値を更新していくものと思われる。安値で買っていこうとしているFX投資家は要注意である。

ついに未体験ゾーンに踏み込んだFRB
このところ米国の金融緩和や債券利回り低下を材料としたドル売りにやや飽和感が漂っていましたが、今週火曜日に発表されたFOMC議事録を読んで、市場はドルの下落余地がまだ大きいことを悟ったようです。
FOMC議事録(9月21日開催分)は、「近い将来、追加緩和は適切」と次回11月3日の会合での緩和措置発動を示唆したうえ、「長期債購入とインフレ期待に影響を及ぼす戦略を検討」と具体的な方策にも言及したのです。
この「長期債購入」というのはすでに市場関係者の間では、毎月1千億ドル規模の国債買い入れを数ヶ月から一年にわたって続ける、5千億ドルから1兆ドル規模の国債買い入れプログラムとなると見られています。日銀が先週打ち出した資産買入基金が5兆円ですから、これがいかに巨大な量的緩和であるかわかるでしょう。しかしその後にある「インフレ期待に影響を及ぼす戦略」とは何なのか。
議事録によると、インフレ期待を押し上げる方法として、FRBが好ましいとするインフレ率についてより詳細な情報を提供する戦略や、一時的に高めのインフレ率を容認する「物価水準目標」が議論されたとのことです。
物価水準目標とは、通常のインフレターゲットのように前年比何%という「変化率」を目標とするのではなく、物価そのもの(おそらくバスケットなのでしょうが)を目標にする考え方です。つまりある時点の物価が下落した場合、目標水準に戻るまでFRBは物価上昇を促すような金融緩和政策を実施することになります。
もしこうした政策が実現すれば、まさにヘリコプター・ベン(注:ヘリコプターからお金をばらまくといわれるほど量的緩和に熱心なベン・バーナンキの異名)の本領発揮。米国民が将来インフレが上昇すると信じるようになるまで輪転機をフル稼働させ、ドル札の大増刷を行うことは間違いありません。市場の懸念はすでに米国債利回りの低下を通り越し、ドル札の価値希薄化に向かっているといえます。
ドルの全面安・ドル以外はすべて上昇という展開が一段と鮮明となり、とりわけ不変の価値を持つとされる金および資源国通貨(豪ドル・カナダドル・南アランド)がアウトパフォームとなるでしょう。また同じ量的緩和組でも、FRBと比べて日銀の姿勢は慎重すぎると見られれば、円高が一段と加速する可能性も否定できません。
FX投資家はドル円の最安値更新を注目している。そんあ為替相場であるが、午後5時のドル円は、ニューヨーク市場の午後5時時点に比べて下落し、81円前半で推移している。朝方はドルの買い戻しが先行したが、一巡後は押し戻された。午後に入って対ユーロなどでドル売りがじりじりと強まると、ドル/円も売りが優勢になった。米追加緩和がドル安を後押しする構図が続く中、市場ではきょうのバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が注目を集めている。週明けのオープニングの為替相場には注意が必要。